「東アジア文化都市」は、日中韓文化大臣会合での合意に基づき、日本・中国・韓国の3か国において、文化芸術による発展を目指す都市を選定し、その都市において、現代の芸術文化や伝統文化、また多彩な生活文化に関連する様々な文化芸術イベント等を実施するものです。これにより、東アジア域内の相互理解・連帯感の形成を促進するとともに、東アジアの多様な文化の国際発信力の強化を図ることを目指します。
 また、東アジア文化都市に選定された都市がその文化的特徴を生かして、文化芸術・クリエイティブ産業・観光の振興を推進することにより、事業実施を契機として継続的に発展することも目的としています。

(東アジア文化都市北九州ホームページより抜粋)

東アジア文化都市北九州のアートでつなぐ未来プロジェクトムービー、 「献花・小倉城から足立山妙見宮へ」と令和2年11月に開催された小倉城竹あかりの映像などと共に、福岡県産の花きを使用したいけばな作品を 展示します。

第1弾 西日本シティ銀行北九州総本部ビル                                                                                                                                                                                                                                                  街角ギャラリー

金融街の真ん中にあるのでビジネスマンや主婦など社会人が多く行き交いますが、夜になると繁華街の入口へと変わる場所です。今年はコロナウィルス感染症などで灯が少なく、街の元気を取り戻したくて、ビビットカラーの花を選びました。

元気よく咲く福岡県の花

花材はべにひま、オンシジューム、鉄砲百合、イグニス(菊)、ドラセナ。ドラセナは沖縄産でしたが、花は、福岡県産の花木でした。イグニスという名の菊は咲くとだんだんにワインカラーに近い赤からオレンジマスタードカラーに変わり、ふわっと咲きます。

西日本シティ銀行北九州総本部ビルの街角ギャラリーは、西日本シティ銀行が地域貢献を目的にギャラリースペースを開設されています。

西日本FH北九州ビル(小倉北区鍛冶町)1階。平日7時~23時、土日祝8時~21時。入場無料。

第2弾 小倉城天守閣の新春迎花

令和2年はコロナウィルスの影響で、北九州市も元気が出ない1年でした。令和3年は明るく本来の北九州市になって欲しくて明るい色目の花を使いました。

梅は、厳しい冬を乗り越え咲きます。花の中でも格式の高い花です。タイトルも「梅花開五福」梅花開五福とは花びらが五枚、梅花五福を開きます。一は寿:長寿 二は徳:人徳 三は富:裕福 四は無病 五は天命。令和2年は厳しい一年でした。だからこそ令和3年は梅の五福にあやかりたいです。

花材は、福岡県生産者が育てた花きです。松、苔梅、千両、百合、オンシジュームに、足立山妙見宮御苑の竹を使わせて頂きました。

第3弾 北九州空港 出発ロビー

九州の玄関口でもある北九州空港に飾花が決まった時、嬉しかったです。

新型コロナウィルスが流行し、欠航便も多くて従来より人の往来も少ないけれど、そこには安全なフライトを確保する緊張感が漂っていました。 空港のご利用のお客様の安心感、職員の方への労いを花に託しいける事にしました。

花選び

福岡県産の花でエールを送る事に決め、職員の方から桜のリクエストがあり、久留米生まれで福岡県育ちの啓翁桜を主材にして、色は、癒しや和み安心感を与えてくれる「ピンクとブルー」元気の象徴のような黄色にしました。

花に思いを託して

ピンクは啓翁桜とヴァンドーム(オリエンタルリリー)、ブルーはデルフィニューム、黄色は春の香りがするフリージア、どれも福岡県の生産者さんが愛情を込めて育てた花たち。花たちが笑顔になれるようにと思いを込めて生けました。乗客の方や職員の方が声をかけてくださる事、これこそが私の励み。花と語りながら生けていく。なんと幸せなことだろうと思いました。

いけた出来映えに「よし!よし!」と心の中でガッツポーズをしました。

イベントの飾花も当初は1週間の予定でしたが、10日も美しさを保ったままでした。

花も人と一緒で褒められることが何よりも嬉しいのです。そして、何よりも師匠である母が「あの広さに負けない存在感だったね~!」と言ってくれました。ただ嬉しくて、うるっとしました。

第4弾 小倉城しろテラス

お城の石垣、障子を生かす色選びをしました。

この時代に似合う、雅やかさや絢爛さを演出したかったので、メインカラーは桃色、紫色黄色と白はサブカラーに決めました。

花の役割

雅な川津桜とピンクのバラ、凛とした白いオリエンタルリリー、ふんわりとした形状の紫のスイトピー、甘い香りの黄色のフリージアに葉物は松です。松は格調がある花材ですがその松を脇役に使い、縁の下の力持ちのような役割にしました。もちろん花は福岡県産です。

花から始まる会話

ある朝、花の手入れに行くと80代ぐらいの女性が「この花の前で、お抹茶を頂いてよろしいかしら?」と、私は「この上もない幸せでございます。ごゆっくりお過ごしください」と返事をし、そこから会話が始りました。彼女もいけばなを若い頃され、懐かしいさとその頃を思い出されたようでした。

花から始まるご縁は、ほのぼのするお話が多いように思います。

お抹茶と語らう穏やかな時間も時に必要だと思います。(お抹茶は辻利茶舗さんのコーナーで注文できます)

東アジア文化都市北九州2020-2021「アートでつなぐ未来プロジェクト」

コロナ禍の中で、福岡県の生産者の方々が愛情を込めて育てた花。いつもお世話になっている心強いまなこ花店さん。

人と人とのつながりやチームワークは大きな財産だと思います。

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