ひとときの余白で詩太氏とコラボレーション
小倉城庭園リニュアルオープン記念企画「ひとときの余白」に詩太氏に声をかけて頂きました。
4月23日から5月11日まで
前期は和室 4月23日～5月1日
後期は書院棟 5月3日～11日
4月19日 旦過市場火災
私のチームである「まなこ花店」さんは、旦過市場にお店を構える歴史のある花店です。火事は未明に出火し、私は朝のニュースで知りました。
お店に被害が及んでいないか？とても心配でしたが、幸いにも店舗外観に被害がなくてホッとしましたが、彼らに連絡をすると「店内に花はおいているので、店舗内に入るまで被害状況も不明。」という返事。
「ひとときの余白」の設営は、21日朝9:30。
その日の18:00頃に、花は店内から全部搬出したという連絡を受けたものの、水道と電気の被害が心配され、営業も危ぶまれる。
20日、彼らのもとに行き顔を見て、花を見て安心しましたが、彼らの気持ちや花のダメージが心配でした。
4月21日 設営が朝9:30から始まりました。
花の搬入も終わり、これから花の生け込み、見た目は、花も元気を取り戻したように思えました。まなこ花店さんの思いや花の生命力に感謝をしました。
和室の玄関先に迎花をいける途中、やはり火事の事を思い出します。花に、熱かったよね？怖かったよね？というと「僕たちは大丈夫だよ」と答えてくれたように感じ、涙があふれてきました。
タイトルは「自然は私たちにやさしい」
「ひとときの余白」というリニュアル記念企画展、余白の表現方法を考え、透けて見えるガラスの花器を使い、北九州市は「SDGｓ未来都市」無駄なものはない事も伝えたかったので、調味料の入っていた空きびんを入れて余白の表現をしようと考えました。
花材 木苺：佐賀県産 バラ：福岡県八女市産 デルフィニューム：宮崎県産
タイトルは「吹きぬける青い風」
詩太氏の要望で360度、どこから見ても枝のすき間から見ても、絵が見えるようにして欲しいという、リクエストがありました。
彼の作品の色を考え花材を決めました。
白緑の白波、紫の千鳥草、カラーにしました。
設営した日は、5本しか咲いていない千鳥草もすべての花が終わる頃には満開になり、9日間よく頑張って咲いてくれました。
花材 白波（銀葉）：北九州市産 カラー：糟屋郡産 千鳥草：下関市産
後期の花
書院棟の奥の二の間の下段が私のメインの花、一の間にアートに合わせる花をいけました。
一の間のタイトルは「きらめく星」
一の間の床の間には、夜空や星、月の絵、そして一の間全体が彼独自の「詩太ブルー」の絵を集めました。
その絵の中で、「星の種を蒔きました」という文章の一説があり、絵画の中で、蒔いた星の種は、花となって咲き誇り、降りそそぐ星の光と星の種はやがて花となり、いつでも私たちをやさしく見守ってくれるという物語です。ちなみに、まだつぼみですが黄色い花が星の花です。
花材 白波（銀葉）：北九州市産 そけい：下関市産 デルフィニューム：糸島市産
二の間の花 タイトル「うつくしき笑み」
「花は、私たちに満面の微笑みと香りを放ち勇気づけてくれます。ちょっとだけ、見つめてみませんか。」とPOPに書きましたが、
実は物語があります。
愛する夫と離れ、人里離れた山の中に侍女と２人だけで幽閉されます。愛する人と離れなければならない彼女、彼女の思いをいけばなでイメージしてみました。
大きな枝は、彼女が季節をとおし見ていた山の景色、自然界です。ピンクの百合は彼女自身、白い花はあふれる一筋の思いです。床に置いた枝は、夫と彼女の思いの架け橋です。
アートも春夏秋冬。季節は冬が終わっても春となる… 自然のめぐり合わせです。
花材 キウイ：北九州市産 梅花空木：北九州市産 菊：糸島市産 ヴァンドーム：うきは市産
和敬の掛け軸
楽日の前日に、中川館長さんが、和敬の掛け軸をかけてくださいました。言葉の重みを感じながら日本の「道」の奥深さを感じました。
終わりはすべての始まり。
ゴールデンウィークを艶やかに！
5日まで、花魁道中があり応援に駆けつけてくださいました。禿ちゃん 見た目も、控室でも、とにかくかわいいんです。会場内が艶やかになりました。 感謝感激！
最後に
多くの方にお越しいただき、声をかけて頂きありがたい気持ちでです。準備などを入れ20日間があっという間に過ぎました。花でつながる人と人の輪がまた1つ叶いました。
搬出作業が終わって、小倉城を見ると、これまでに見た事にないほどの美しさでした。その後、日を追うごとに感謝の気持ちでいっぱいにです。ありがとうございました。
