市民力で小倉城に3万個の灯籠を 〜竹害から竹財へ〜

遠方から訪れてみたい街「北九州市」宿泊型観光へ
循環型社会への試み SDGsの運動展開

壮大な竹のオブジェ

小倉城竹あかり実行委員長からオファーを頂きました。天守閣広場に、巨大な竹灯篭のオブジェを創り真ん中に畳二畳を敷き「茶室」を創るという壮大な場所でした。茶室の名前は「銀河」。設計は北九州市でご活躍をされている古森弘一建築設計事務所の古森弘一先生。

先生がデザインされた竹林と茶室、それに現代アートをプラスしたデザインは、私の想像意欲が高まりました。先生へ私の考えをお伝えしたところ考えが一致し、背中を押してくださいました。建築といけばなのコラボが成り立ちました。

銀河という名の茶室

銀河という茶室は、まさに別世界の空間でした。竹林の中の茶室で隔たりがなく、それでいて近寄りがたい空間でした。60㎝間隔に2mの竹灯籠が正確に並び、縦から見ても横から見ても1本の竹にしか見えません。この時、私のイメージができました。

竹筒の花器

花器は、竹筒を用いた花器にしデザインをしたのは、銀河という名の茶室であれば、「北極星と北斗七星」にしました。竹あかりの臼井一郎氏に製作をして頂きました。あるものを使う、そのために竹を伐採するのではなくあるもので製作することに意義があると思いました。

花空間のデザインと花選び

「竹あかりの蝋燭の灯りとLEDのホノカな灯り、遠目に着物を着た女性が、花を活けているそんな雰囲気づくりの和の表現を想定しています。」と実行委員会の意向もあり、BGMもライティングも当日まで関係者と打合せしました。BGMは花バサミの音だけ、照明も花だけ。主役は竹あかり、脇役は花、私は黒子です。銀河という茶室は、まさに「別世界の空間」であれば色は秋の紅葉にビビットな色しかないと考えました。

パフォーマンス本番

柵を避けながら、舞台へ上がります。草履を並び替える瞬間、シャッター音が聞こえました。ちょっとした仕草だけでも、お客様が反応をしてくれる事に驚きましたが、ありがたいことです。作品は2畳の間の半分以上を使いました。生けながらも、心に残る花が生けられるのか?と、自分に問いかけながら花と向き合う時間を過ごしました。剣山もオアシスも使わない投入れです。

パフォーマンスが終了し、正座をして花とお客様に感謝の御礼を伝えました。「礼に始まり礼に終わる」日本の伝統文化の美しさです。ほのかな竹あかりが優しく私を包んでくれました。寒い中、お客様がそれぞれの思いで見てくださった事、生徒さん達が喜んでくれたのが、嬉しかったです。幼少の頃から、母が師匠でよかった親孝行ができてよかったと思いました。

ありがとうのお言葉がありがたかった

「花をいけるところを初めて見ました」、「亡き母親が花をいけている姿を思い出しました」、「幻想的な時間をありがとうございました」など多くのお言葉を頂きました。感情のこもったお言葉を今回は多くいただきました。SNSでも多く投稿して頂きました。こちらの方こそ、ありがとうございましたと皆様にお伝えしたいです。感謝するだけです。

未来へ

今回の竹あかりでの出演が、新たな出発の扉を開け一歩進んだ気がします。見る人の心に感動できるような花をいけたいし、それが1本でも構わないと思います。私にできる事から、着実に一歩一歩進んで行きたいし背伸びもしたくないです。生まれ育った北九州市の地に、もっと花を咲かせ花あふれる街にしたいです。

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